2025/2026 クレアフォーラム開催概要
クレアシドニー事務所では、毎年、日本、オーストラリア、ニュージーランドにおける地方自治の進展や、相互理解、友好親善の促進を目的として、CLAIR Forumを開催しています。先日、開催した「2025/2026 クレアフォーラム」の開催概要は、以下のとおりです。
開催日時 2026年3月4日(水)14:00~17:00
テーマ 「持続可能で活力ある地域社会にするために」(Sustainable & Thriving Communities)
会場 UTS Building 1, Level 22, Room 10(オンライン同時配信)
主催 クレアシドニー事務所
共催 シドニー工科大学公共政策・ガバナンス研究所 (UTS: IPPG)

【発表者・内容(登壇順)】
① 宮内優希 所長補佐(山梨県北杜市)
地元の高校生と事業者をつなぎ、地域の特産品開発を支援する北杜市の事業「食杜北杜」が紹介されました。高校生は、商品の企画から販売まで全てを経験し、地域の資源や魅力への理解を深めながら、実践的な企画力を身につけることができます。また、事業者は若者の新しい発想を取り入れた新商品開発が可能です。高校生と事業者をつなぐなど、行政が調整役を担うとともに、既存の地域資源を活用することにより、高校生の地元への愛着を育み、地域の将来の担い手として育成する意図も有しています。

② Daniel Cove氏(Bathurst Regional Council)
Bathurst Regional Councilにおける観光誘客や移住促進、若者の定着に向けた取組が紹介されました。同Councilでは、観光による訪問を将来の移住促進につなげるため、地域ブランドの確立やイベントの充実を図っているほか、ユースカウンシルを設置し、若者の声を反映した政策づくりに取り組んでいます。また、福島県大熊町との姉妹都市交流や多文化共生の推進を通じて、地域の多様性を高めています。発表者からは、地域の活力、持続可能性を高めるためには、地域固有の課題を踏まえた意識的な取り組みが重要、とのコメントがありました。

③ 田淵亮介 所長補佐(愛媛県)
愛媛県の自転車施策が紹介されました。同県では、住民の生活インフラとして整備された自転車道「しまなみ海道」を、地域の新たな魅力を生み出す舞台として再定義し、観光誘客のみならず、地域におけるサイクリング文化の形成へとつなげています。また、自転車イベント「サイクリングしまなみ」の開催など、官民連携による地域の新たな価値創出の取組についても説明されました。

④ 西坂なつき 所長補佐(岡山県)
岡山県と岡山市が毎年共同で開催している「おかやまマラソン」が紹介されました。高校生や地域団体によるボランティアや応援パフォーマンス参加を通じて、地域に対する誇りや社会への参画意識が育まれています。また、エイドステーションで提供される食品や完走メダルに地元の特産品や伝統的工芸品を活用することで、地域の魅力発信や経済効果の創出にもつながっています。

⑤ Brendan Shipley氏(Parkes Shire Council)
Parkes Shire Councilが開催している「Parkes Elvis Festival」の地域への波及効果が紹介されました。地域コミュニティが中心となり、ボランティアや地元事業者が一体となって作り上げるこのイベントは、地域経済の活性化や観光振興に大きく貢献しています。また、地域住民の誇りが高まり、社会的結束が強化されることで、持続可能な地域発展のモデルになっています。

⑥ まとめ
各発表後の質疑応答では、ボランティアの継続参加を促す工夫や、大型イベントの開催と地域住民の日常生活とのバランス、取組の持続可能性の確保、民間事業者の巻き込み方などが紹介されました。
いずれの事例も、地域の特性や魅力を把握・理解した上で、若者を含む住民や、事業者、行政が協働して地域の価値を高めるために取り組んでいる点が共通しています。
UTSのIPPG所長であるCarol Mills氏の総括では、地域の活性化には、明確な目的の設定の下、住民の誇りや自信の醸成、地域の価値への気づきを促すことが重要であること、取組の持続可能性を確保するに当たり、行政が触媒となり、地域の関係者をつなぎ、協働を促す役割を担うことの意義が強調されました。さらに、単発の事業・イベントとしてではなく、長期的な視点で継続的に、官民が連携して取り組む重要性も指摘されました。









WA州の州都パースから車で約3時間かけて来場された方も複数いらっしゃるなど、日本への関心の高さがうかがえたほか、イベント終了後のランタンフェスティバルでは、日本国旗や桜が描かれたランタンが川面を彩り、当地における日本への親しみの深さを感じることができました。

















