ワリンガー市との交流は、現地の日本人を中心としたボランティア団体のレインボーグループが中心となり、交流の話が始まった。ワリンガー市も日本の都市との交流を望んでいたこともあり、同グループを仲立ちに、1995年5月に秩父市長らがワリンガー市を視察。同年8月には、ワリンガー市議会が姉妹都市締結について議決し、秩父市議会でも9月に議決された。96年4月、秩父市長がワリンガー市を訪れ、ワリンガー市庁舎において姉妹都市調印式が行われた。
秩父市では、姉妹都市締結の前年9月に秩父ワリンガー協会が設立され、ワリンガー市との交流事業を積極的に進めていくようになる。
同年から、秩父市と秩父ワリンガー協会の共催で、毎年夏休みに、秩父市の高校生を派遣している。受入先のワリンガー市、レインボーグループの協力もあり、現在まで派遣した高校生は延べ72名。生徒達は、ワリンガー市内の家庭にホームステイしながら、地元のフォレストハイスクールへ2週間体験入学し、オーストラリアの文化や生活習慣を学んでいる。本場の英語を学べるだけでなく、今の生活を離れてみて自分自身を見つめ直すいい機会となった、という感想も多い。2週間のワリンガー市での生活を終え帰国した派遣生は、皆それぞれ大きく成長して秩父に帰ってくる。
99年8月には、秩父市からワリンガー市へイチョウの木10本が寄贈された。イチョウは秩父市のシンボルとして、広く市民に親しまれている。平和を願い、歴史と伝統を保存するために建設されたオックスフォードフォールズ平和公園において贈呈式が開催された。イチョウの木がワリンガーの大地にしっかりと根を張り、将来にわたって大きく成長することを願って、公園内にイチョウの木は植えられた。
文化面での交流も行われており、98年7月、日本舞踊「志寿の会」18名がワリンガー市を訪問。市内のショッピングセンター「ワリンガーモール」で屋外公演を行うとともに、観客に踊りを指導した。市内の劇場「グレンストリート・シアター」でも公演し、6つの演目を披露した。公演終了後は、歓迎セレモニーに出席し、日本の伝統文化を通じて交流を深めた。
また、海外の芸術家を招き、生活しながら創作活動をしてもらう埼玉県と秩父市の共催事業「アーティスト・イン・レジデンス」で、ワリンガー市の陶芸家ディオゲネス・ファッリさんが、98年8月から約半年間、秩父市に滞在し、陶芸作品の制作を行った。事業実施にあたっては、市民ボランティアで組織する実行委員会が中心となって、創作活動や日常生活を支援した。ファッリさんは、滞在中、スライドレクチャー、アトリエ公開、作品展などを行うとともに、秩父市内の小学校を訪問して児童を指導するなど秩父市民と積極的に交流。美術を通じた交流が両市間の相互理解を深め、友好の絆を強めて、一層の文化交流を促進することができた。
ワリンガー市と秩父市の姉妹都市の関係の発展が、両市の繁栄をもたらすとともに、日豪両国の友好親善と世界平和のために貢献することを願っている。 |