マッカイは、QLD州の東海岸、ブリスベーンとケアンズのほぼ中間に位置する人口7万5千人の都市だ。1860年代から「砂糖きびの都」として発展し、豪州最大の作付面積を誇る。また、産出量・埋蔵量とも世界有数のボーエン炭田の石炭は、大部分がマッカイ南部の港から積み出されている。この辺りの海岸は遠
浅の上に干満の差が大きく、干潮時ははるか彼方まで潮が引くため、沖に停泊する輸送船まで数キロにも及ぶ桟橋を石炭がベルトコンベアで運ばれていく眺めは
壮観だ。
長崎県北部の松浦市に立地する火力発電所では、ここから積み出される石炭を燃料に使用しており、その縁で両市は、89年に姉妹縁組を結んだ。双方の港を
往復する石炭貨物船は、学校間で交換する児童の作品を運び届けるなど、友好親善の橋渡しにも一役買っている。
両市間の人脈も層が厚い。松浦市職員で、90年にマッカイ市役所に9カ月間派遣された橋本淳子さんは、交流事業の連絡役として欠かせない存在。一方の
マッカイ市側では、橋本さんの研修を引き受けた市民部長のマーク・レイランドさんが姉妹都市委員会の委員長を務めているので、意思疎通は万全だ。さらに、
これまで4人、マッカイなどQLD州出身の青年が松浦市役所に国際交流員として派遣されており、様々な交流事業を通じて市民に親しまれた。
これらの充実した人的ネットワークに支えられ、市民や青少年の相互交流が幅広く展開し、両市の絆はますます深まった。98年には、「マッカイの学校で生
徒に剣道を教えたい」という日本語講師の呼び掛けに応え、使わなくなった剣道用具を松浦市民が寄付、集まった防具やはかまは、石炭貨物船がマッカイに送り
届けた。
こうした交流の輪の広がりを象徴しているのが、友好歌『グッダイ・マツウラ』だ。日本語も交え「グッダイ・マッカイ、サヨナラ・マツウラ」と軽快に歌う
この曲を作ったのは、マッカイを活動拠点とする「ハラバルー」という4人組カントリー・バンド。95年の松浦倭冠まつりで初披露された、この粋なプレセン
トに松浦市民は大喜び。市内のリズムダンスクラブでは、この曲に振り付けしてレッスンに取り入れ、それが評判になり、小学校の運動会で児童が披露、豪州の
国旗とマッカイの市旗の回りを元気よく踊る子供たちに盛んな拍手が送られた。
松浦・マッカイの関係に見られるように、国際交流の基礎は、やはり人と人とのつながりだ。一人ひとりの好意と感謝の気持ちが積み重なって、友好親善の輪
が広がり、その輪がいくつも重なって、国と国との関係も厚みを増す。姉妹都市交流による「草の根外交」が、日豪関係の発展と強化に果たしている役割は、決
して小さくないはずだ。